畳の上にクッションフロアは大丈夫?賃貸DIYと貼り方

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畳の上にクッションフロアは大丈夫?賃貸DIYと貼り方
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和室の畳の上にクッションフロアを敷いて洋室風にしたい、でも大丈夫なのだろうか?と悩んでいませんか。

畳の上にクッションフロアを敷くデメリットとして、畳の通気性が失われるとなぜダメなのか、畳が呼吸できなくなることによる湿気とカビの問題が懸念されます。

また、そもそも畳の上に敷くなら何がいいのか、他の代替案も気になるところです。

もしDIYで施工する場合、畳の上にクッションフロアをDIYで敷く費用はいくらか、具体的なクッションフロアの基本的な貼り方、特に賃貸で重要な原状回復できるクッションフロアの固定方法についても知りたいでしょう。

さらに、和室のクッションフロアは置くだけでも良いのか、湿気対策にベニヤ板を挟むメリットは本当にあるのか、様々な疑問が浮かぶはずです。

この記事では、そうした疑問を一つひとつ解消していきます。

記事のポイント
  • 畳にクッションフロアを敷く具体的なデメリット
  • 賃貸でも安心な原状回復できる貼り方と固定方法
  • 湿気対策としてのベニヤ板の役割
  • クッションフロア以外の代替床材との比較
目次
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畳の上にクッションフロアを敷くデメリット

大丈夫?畳にクッションフロアを敷くデメリット

筆者作成イメージ:大丈夫?畳にクッションフロアを敷くデメリット

畳の上にクッションフロアを敷くこと自体は、物理的には可能です。
しかし、多くの専門家や経験者は、この方法を積極的には推奨していません。

その理由は、畳が持つ特性とクッションフロアの材質が根本的に相性が悪いためです。
畳は呼吸することで湿度を調整しますが、ビニール製であるクッションフロアはその通気性を完全に塞いでしまいます。

結果として、湿気がこもりやすくなり、畳そのものの劣化を早める原因となります。

また、畳はフローリングと違って柔らかく沈み込むため、クッションフロアを敷いても床が平らにならず、歩行感が不安定になったり、家具の跡がつきやすくなったりする点も大きなデメリットと考えられます。

手軽に見えますが、長期的な視点では畳を傷めるリスクを伴う方法です。

畳の通気性が失われるとなぜダメ?

筆者作成イメージ:畳の通気性が失われるとなぜダメ?

畳の最大の特長の一つに、優れた「調湿機能」があります。

い草や畳床(たたみどこ)は、まるでスポンジのように室内の湿気を吸ったり吐いたりして、部屋の湿度を快適に保つ役割を担っています。
これは「畳が呼吸している」とも表現されます。

しかし、畳の上にクッションフロアを敷くと、この呼吸が完全に妨げられます。
クッションフロアの主成分は塩化ビニールであり、空気も湿気もほとんど通しません。

通気性が失われると、畳が吸い込んだ湿気や、床下から上がってくる湿気の逃げ場がなくなります。
畳は湿気を放湿できなくなり、常に湿った状態が続くことになります。

これが、畳にとって非常に過酷な環境を生み出し、様々な問題を引き起こす根本的な原因となります。

【参照:全日本畳事業協同組合(畳の機能・効用)

畳が呼吸できなくなる?湿気の問題

筆者作成イメージ:畳が呼吸できなくなる?湿気の問題

前述の通り、畳の通気性が失われると、湿気が畳とクッションフロアの間に閉じ込められます。
特に日本は湿度が高いため、梅雨時や夏場、あるいは冬場の結露によって、畳は多くの水分を吸収します。

呼吸ができなくなった畳は、その水分を放出できません。
この閉じ込められた湿気は、畳表(たたみおもて。い草の部分)だけでなく、内部の畳床(たたみどこ。畳の芯材となる部分)、の劣化を急速に進めます。

湿気は畳床の素材を腐食させたり、強度を低下させたりする原因となります。
また、高温多湿の状態が続くことで、不衛生な環境が生まれやすくなることも深刻な問題です。

このように湿気が多い環境は、カビやダニの発生リスクを高める可能性も指摘されています。
カビやダニは、アレルギーの原因となるなど健康に影響を及ぼす可能性があります。

※この記事はDIYの方法を解説するものであり、医学的な情報を提供するものではありません。
カビやダニの健康への具体的な影響については、必ず厚生労働省やアレルギー学会などの公的機関、または医療機関にご相談ください。

【参照:厚生労働省(科学的根拠に基づく シックハウス症候群に関する 相談マニュアル)
【参照:東京都保健医療局(住居とアレルギー疾患)

畳の上に敷くなら何がいい?代替案

筆者作成イメージ:畳の上に敷くなら何がいい?代替案

畳の上にクッションフロアを敷くデメリットを考慮すると、他の選択肢を検討する価値は十分にあります。
畳の調湿機能を活かしつつ、和室の雰囲気を変えたい場合の代替案をいくつか紹介します。

それぞれのメリットとデメリットを比較検討し、ご自身のライフスタイルや賃貸か持ち家かといった条件に最も合うものを選ぶことが大切です。

主な代替床材の比較

以下の表は、クッションフロア以外の主な代替案を比較したものです。

スクロールできます
床材の種類 メリット デメリット
ウッドカーペット敷くだけで施工が完了し、本物の木目感(合板)を楽しめる。
床が硬くなり安定する
重量があり、一人での設置やサイズ調整が難しい。
商品によっては継ぎ目が目立つ
フロアタイル質感が非常に高く、本物の木や石のように見える。
耐久性に優れ、部分的な交換も可能
施工に手間がかかる。
畳の上では沈み込みでタイル間に隙間や段差が生じやすい
い草上敷き安価で交換が容易。
畳の調湿機能を妨げず、い草の香りや質感を維持できる
洋室風の見た目にはならない。
使用により「ささくれ」が発生することがある
置き畳(ユニット畳)好きな場所に敷ける。
デザインや色が豊富で、モダンな和室を演出しやすい
畳の上に敷くと段差が大きくなる。
裏面に滑り止めが必要な場合がある

これらの選択肢は、クッションフロアが持つ「湿気の問題」を回避または軽減できる可能性があります。

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畳の上にクッションフロアをDIYで敷く方法

畳の上にクッションフロアをDIYで敷く費用は?

筆者作成イメージ:畳の上にクッションフロアをDIYで敷く費用は?

畳の上にクッションフロアをDIYで敷く場合、費用は部屋の広さや選ぶ材料のグレードによって変動しますが、6畳の和室を例にすると、おおよその目安を把握することができます。

材料費の目安(6畳)

  • クッションフロア本体:
    クッションフロアは幅182cmのものが一般的です。6畳の部屋(例:江戸間 約261cm×352cm)の場合、352cmの長さのものを2枚(1枚は幅をカットして使用)用意する必要があります。必要な長さは約7.5m〜8m程度となります。
    1mあたり1,000円〜2,000円が相場のため、約8,000円〜16,000円程度が目安です。
  • テープ類:
    畳を傷めないために必要な養生テープと、その上に貼る両面テープ(カーペット用など)で、約2,000円〜3,000円程度です。
  • (オプション)ベニヤ板:
    後述する湿気対策や床の安定化のためにベニヤ板(厚さ5.5mm程度)を敷く場合、サブロク板(約91cm×182cm)が6枚必要となり、追加で約6,000円〜10,000円程度かかります。

必要な道具代

  • カッターナイフ(大きめのもの)
  • 地ベラ(壁際のカットに必須)
  • メジャー
  • ハサミ
  • (継ぎ目処理剤)

これらは合計で約3,000円程度で揃えられますが、すでにお持ちの場合は費用はかかりません。

したがって、ベニヤ板なしの場合は約1.5万円〜2.5万円ベニヤ板ありの場合は約2.5万円〜4万円程度がDIY費用の目安と考えられます。

クッションフロアの基本的な貼り方

筆者作成イメージ:クッションフロアの基本的な貼り方

畳の上にクッションフロアを敷く際の基本的な手順を解説します。
作業を始める前に、畳の上を念入りに掃除し、ゴミやホコリを完全に取り除いてください。

  1. 部屋の採寸とクッションフロアの準備:
    まず、部屋の正確な寸法を測ります。柱や出っ張りがある場合は、その部分も細かく採寸します。クッションフロアは、部屋の寸法よりも10cmほど余裕を持たせてカットしておくと、作業中に足りなくなる失敗を防げます。
  2. 仮置きとカッティング:
    クッションフロアを部屋に仮置きします。このとき、柄がある場合は向きや継ぎ目を合わせます。壁際は、地ベラ(床と壁の境目に差し込むヘラ)を当てながら、カッターナイフで余分な部分を正確にカットしていきます。角の部分は、カッターで切り込みを入れて丁寧に合わせます。
  3. 継ぎ目の処理(2枚以上敷く場合):
    2枚のクッションフロアを繋ぎ合わせる部分は、数cm重ねた状態で仮置きします。その後、重ねた部分の真ん中を、定規とカッターを使って2枚同時に切り落とします。こうすることで、隙間なくピッタリと継ぎ目を合わせることが可能です。
  4. 固定:
    床にクッションフロアを固定します。畳の上で原状回復が必要な場合の固定方法は、次の見出しで詳しく説明します。

原状回復できるクッションフロアの固定方法

筆者作成イメージ:原状回復できるクッションフロアの固定方法

賃貸住宅などで畳の上にクッションフロアを敷く場合、退去時に畳を傷つけずに元に戻せる「原状回復」が絶対条件となります。

畳に直接両面テープを貼ると、粘着剤が残ったり、剥がす際にい草を傷めたりするため、絶対に行ってはいけません。

畳を傷めない「養生テープ」活用法

原状回復を可能にする最も一般的な方法は、養生テープ(マスキングテープ)と両面テープを組み合わせるやり方です。

  1. 養生テープを貼る:
    まず、クッションフロアを固定したい場所(部屋の四隅や壁際、クッションフロアの継ぎ目になる部分)の畳の上に、養生テープを貼ります。畳の縁(へり)の部分は比較的テープが付きやすいです。
  2. 両面テープを貼る:
    次に、先ほど貼った養生テープの「上」に、強力な両面テープ(カーペット用など)を貼り付けます。
  3. クッションフロアを圧着:
    クッションフロアを広げ、両面テープの剥離紙を剥がしながら、シワにならないように慎重に圧着していきます。

この方法であれば、両面テープは畳に直接触れず、養生テープの上に貼られています。
退去時は、クッションフロアを剥がした後、養生テープをゆっくり剥がせば、畳に粘着剤を残すことなく原状回復が可能です。

【参照:国民生活センター『賃貸住宅の「原状回復」トラブルにご注意』

和室のクッションフロアは置くだけでも良い?

筆者作成イメージ:和室のクッションフロアは置くだけでも良い?

「置くだけ」タイプのクッションフロアやフロアタイルも市販されていますが、これらを畳の上で使用することには注意が必要です。

フローリングのような硬く平らな床とは異なり、畳はクッション性があり、人が歩いたり家具を置いたりするとわずかに沈み込みます。
このため、「置くだけ」の床材を敷いても、床材同士の継ぎ目部分が浮き上がったり、ズレが生じたりしやすいのです。

特に、クッションフロアのようなシート状のものを「置くだけ」にすると、部屋の中央部が浮いたり、歩くたびにシワが寄ったりすることがあります。

もし「置くだけ」にする場合は、ソファやベッド、タンスなどの重い家具で四方をしっかりと押さえつけることが前提となります。

しかし、家具のない広いスペースでは床材が安定せず、つまずきの原因にもなりかねないため、積極的には推奨されません。

湿気対策にベニヤ板を挟むメリット

筆者作成イメージ:湿気対策にベニヤ板を挟むメリット

畳の上にクッションフロアを敷く際の最大の懸念事項である「湿気」への対策として、ベニヤ板(構造用合板など)を一枚挟む方法がよく取られます。これには複数のメリットがあります。

  1. 床の平滑化と安定:
    畳の柔らかい感触を解消し、硬く平らな床下地を作ることができます。これにより、クッションフロアが安定し、歩行感が向上します。
  2. 家具の沈み込み防止:
    重い家具を置いたときに、畳がへこんでしまうのを防ぎます。ベニヤ板が重さを分散させてくれるため、畳へのダメージを軽減できます。
  3. 物理的な湿気対策:
    畳とクッションフロアが直接密着するのを防ぐことができます。畳から放湿された湿気が一度ベニヤ板に受け止められる形になります。

ただし、ベニヤ板自体も木材であるため、湿気を吸う性質があります。
そのため、ベニヤ板を敷くことが湿気問題を完全に解決するわけではありません。

より万全を期すのであれば、畳とベニヤ板の間に防湿シート(ポリフィルムなど)を敷くといった追加の対策が望ましい場合もあります。

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畳の上にクッションフロアを敷く注意点のまとめ

畳の上にクッションフロアを敷くことは可能ですが、多くの注意点があります。
この記事の要点をまとめます。

  • 畳の上にクッションフロアを敷くことは可能だが非推奨
  • 最大のデメリットは湿気による畳の劣化
  • 畳本来の調湿機能(呼吸)が失われる
  • クッションフロアはビニール素材で通気性がない
  • 湿気が溜まると不衛生な環境になりやすい
  • 湿気によるカビやダニの健康影響は公的機関の情報を参照する
  • 畳が柔らかいため歩行感が安定しない
  • 重い家具を置くと畳ごと沈み込む
  • 賃貸でのDIYは原状回復できる固定方法が必須
  • 畳に直接両面テープを貼るのは避ける
  • 養生テープを下地に使うと原状回復しやすい
  • 湿気対策としてベニヤ板を挟む方法がある
  • ベニヤ板は床を平らにし家具の沈み込みを防ぐ
  • 「置くだけ」タイプは畳の上ではズレやすい
  • 費用は6畳で約1.5万~2.5万円が目安
  • 代替案としてウッドカーペットやフロアタイルも検討する
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