和室にベッドを置くコツ。畳のへこみ・カビ対策とおしゃれな置き方

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和室にベッドを置くコツ。畳のへこみ・カビ対策とおしゃれな置き方
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和室にベッドを置きたいと考えたとき、畳にベッドは良くないのではないか、という不安がよぎるかもしれません。

和室利用のメリットとおすすめポイントは多いものの、畳のへこみや傷、湿気とカビの問題、特に賃貸で注意すべき畳の傷など、和室にベッドを置くデメリットは確かに存在します。

しかし、畳への凹み防止とベッドを置く方法を正しく理解し、畳の凹み防止に役立つグッズを活用すれば、失敗や後悔を避けることは十分に可能です。

この記事では、和室に合うベッドの選び方から、すのこベッドがダメな理由ロフトベッドがダメな理由といった具体的な懸念点の解説、さらには折りたたみベッドという選択肢やおしゃれなレイアウトのコツまで、和室でのベッド生活を快適に実現するための情報を具体的に解説します。

記事のポイント
  • 和室にベッドを置く際の具体的なメリットとデメリット
  • 畳のへこみやカビを防ぐための具体的な対策方法
  • 賃貸物件で畳を傷めないための注意点
  • 和室の雰囲気に合うベッドの選び方とおしゃれな配置のコツ
目次
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和室にベッドを置くメリットと注意点

和室利用のメリットとおすすめポイント

筆者作成イメージ:和室利用のメリットとおすすめポイント

和室を寝室として利用することには、フローリングの洋室にはない多くの利点があります。

ベッドを置く場合でも、これらのメリットは快適な睡眠環境をサポートします。

主なメリットは、畳が持つ「調湿機能」「リラックス効果」です。

畳の素材である「い草」は、スポンジのように空気中の水分を吸収したり放出したりする特性を持っています。

これにより、湿気が多い梅雨の時期は湿度を下げ、空気が乾燥する冬は湿度を上げてくれるため、寝室の環境を快適に保ちやすくなります。

また、い草特有の香りは、森林浴と同じようなリラックス効果をもたらすと言われています。

畳の部屋が落ち着くのには、この香りも関係しています。

さらに、畳には適度な弾力性があります。硬いフローリングと比べ、衝撃がいくらか和らぐことが期待できるため、心理的な安心感につながる側面もあります。

【参照:農林水産省「いぐさ・畳表」
【参照:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」

和室にベッドを置くデメリットは?

筆者作成イメージ:和室にベッドを置くデメリットは?

多くのメリットがあるいっぽうで、和室にベッドを置く際には特有のデメリットや注意点を理解しておく必要があります。

最も大きな懸念点は、畳のデリケートさに関連するものです。

畳はフローリングとは異なり、い草を編み込んだ柔らかい素材でできています。

そのため、重い家具を長期間置くと、その重みで「へこみ」が生じやすい性質があります。

特にベッドのように重量があり、かつ毎日人が寝ることで圧力がかかり続ける家具は、畳に跡を残しやすいと言えます。

また、ベッドを引きずって移動させると、畳の表面が摩擦で傷ついたり、い草がささくれてしまったりする危険性も高いです。

加えて、湿気の問題も無視できません。前述の通り、畳には調湿機能がありますが、その能力には限界があります。

ベッドと畳の間は空気が滞留しやすく、寝汗による湿気とホコリが組み合わさることで、カビやダニが発生しやすい環境が生まれる可能性があります。

畳にベッドは良くない?湿気とカビ対策

筆者作成イメージ:畳にベッドは良くない?湿気とカビ対策

「畳にベッドは良くない」と言われる理由の一つに、湿気による快適性の低下や、カビの発生懸念があります。

畳自体が持つ調湿機能は万能ではなく、限界を超えて湿気を吸い続けると、その湿気を放出できなくなります。

いっぽう、人は寝ている間に多くの汗をかくと言われており、マットレスや敷布団はその湿気を吸収します。

ベッドを置くと、マットレスの底面と畳の表面が近接し、空気の流れが著しく悪化します。

この密閉された空間に寝汗による湿気がこもり、さらに畳が吸い込んだ湿気も加わることで、非常に高湿度の状態が維持されやすくなります。

このような高湿度の状態を放置すると、畳や寝具がジメジメとしてしまい、快適な睡眠環境が損なわれる原因となります。

また、湿気とホコリが溜まった環境は、カビが繁殖しやすい条件を作ってしまう可能性も否定できません。

このため、和室にベッドを置く際は、湿気を溜めないための「予防策」を講じることが極めて重要です。

対策の基本は、「空気の通り道」を確保し、湿気を一箇所に留めないことです。

具体的には、ベッドフレームの床板が「すのこ(スノコ)」状になっているタイプを選び、マットレスと畳の間の通気性を高める方法が有効です。

また、ベッドを壁にぴったりと付けず、数センチ程度離して配置することも、空気の流れを作る上で役立ちます。

さらに、畳とマットレスの間に市販の「除湿シート」を敷いたり、天気の良い日には定期的にマットレスを壁に立てかけて、ベッド下の畳と寝具自体を乾燥させたりするメンテナンスも効果的です。

対策を講じなければ、畳やマットレス自体を傷める(例:シミや変色)原因ともなりかねません。

快適な寝室を保ち、畳や寝具を長持ちさせるためにも、これらの「湿気対策(予防)」をぜひ実践してください。

カビやダニが健康に与える影響については、厚生労働省専門の衛生研究所の情報もご参照ください。

【参考:東京都保健医療局「15住居とアレルギー疾患 – 東京都保健医療局」

賃貸で注意すべき畳の傷

筆者作成イメージ:賃貸で注意すべき畳の傷

持ち家であれば自己責任で済みますが、賃貸物件の和室にベッドを置く場合は、畳の傷やへこみに最大限の注意が必要です。 

賃貸契約では、退去時に「原状回復」の義務が発生するのが一般的です。

 国土交通省のガイドラインによれば、家具の設置による通常の使用の範囲内でのへこみや、日焼けによる変色などは、経年劣化として扱われることが多いとされています。 

しかし、ベッドを引きずって畳を広範囲にささくれ立たせたり、湿気対策を怠ってカビを発生させたりした場合、「通常の使用を超える損耗」や「借主の過失」とみなされる可能性があります。

 最終的な判断は、個別の賃貸借契約書の内容や、大家・管理会社の判断によって異なります。

契約書に畳の取り扱いに関する特約がないかを入居時やベッド設置前に確認し、不安な場合は事前に管理会社へ相談することが最も確実な方法です。

原状回復に関するトラブルとガイドラインについては、国土交通省が公開している資料も参考にしてください。

【参考:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」

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和室にベッドを置く方法と選び方

畳への凹み防止とベッドを置く方法

筆者作成イメージ:畳への凹み防止とベッドを置く方法

和室にベッドを置く際の最大の懸念である畳のへこみは、ベッドの重さが特定の箇所に集中することで発生します。

特に、脚が細いタイプのベッドでは、4点(あるいは6点)の脚に全ての重量が集中するため、畳はその圧力に耐えきれず深く凹んでしまいます。

したがって、凹みを防ぐ基本的な方法は「圧力を分散させる」ことです。

この対策として最も効果的なのは、ベッドフレームの選び方そのものにあります。

具体的には、畳との接地面が広いベッドを選ぶことが鍵となります。

圧力を分散できるベッドフレーム

  • ローベッド・フロアベッド:
    床板全体、あるいはフレーム全体が床に接するタイプのベッドです。
    脚がないため、ベッド全体の重さが広い面で畳に伝わります。
    これにより圧力が大幅に分散され、特定の箇所だけが深く凹むのを防ぐことができます。
  • 脚が太いベッド:
    脚付きベッドを選ぶ場合でも、接地面の面積が重要です。
    華奢な細い脚ではなく、どっしりとした太い脚(角脚など)のタイプを選ぶことで、1点にかかる圧力を軽減できます。
  • 脚の数が多いベッド:
    4本脚よりも6本脚のベッドのほうが、重さが分散されます。

これらのベッドを選ぶことが、畳のへこみ対策の第一歩となります。

畳の凹み防止に役立つグッズ

前述の通り、接地面の広いベッドを選ぶことが基本ですが、すでにお持ちのベッドが細い脚の場合や、より万全を期したい場合には、専用のグッズを活用することが非常に効果的です。

これらのグッズの役割も、ベッドの脚と畳の間に挟み込むことで「圧力を分散させる」点にあります。

  • コルクマット・ジョイントマット:
    適度な厚みと弾力性があり、圧力を効果的に分散させます。
    特にコルクは適度な弾力性と防音性が期待できるとされ、和室に適した素材の一つです。
    ベッドの脚の下だけに敷く方法と、ベッドを置くエリア全体に敷き詰める方法があります。
  • ベッド用の保護マット・敷板:
    家具の脚専用に作られた、硬質のフェルトやプラスチック、木製の小さな板(敷板)もあります。
    これらを脚の下に敷くことで、畳に直接脚が接するのを防ぎ、圧力を分散させます。
  • カーペット・ラグ:
    ベッドの下全体に厚手のカーペットやラグを敷くことでも、ある程度の圧力分散と傷防止の効果が期待できます。
    ただし、カーペットを敷くと畳との間の通気性が悪化するため、湿気対策(除湿シートの併用など)が別途必要になります。
  • ウッドカーペット:
    和室全体にウッドカーペットを敷いて洋室化する方法もあります。
    これなら凹みの心配はなくなりますが、畳とウッドカーペットの間の通気性はほぼゼロになるため、カビのリスクが非常に高まる点には注意が必要です。
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和室に合うベッドの選び方

筆者作成イメージ:和室に合うベッドの選び方

畳の保護とあわせて重要なのが、和室の雰囲気を壊さないベッドのデザインを選ぶことです。

洋室向けのベッドをそのまま持ち込むと、空間全体がちぐはぐな印象になりがちです。

和室に調和するベッドには、いくつかの共通した特徴があります。

  • ロータイプ・フロアタイプを選ぶ:
    和室はもともと床に座る文化(床座)を基本としており、天井が低めに作られていることも多いです。
    そのため、視線が低くなるローベッドやフロアベッドは、和室の空間と非常に相性が良いです。
    圧迫感が少なく、部屋を広く見せる効果もあります。
  • 木製フレームを選ぶ:
    畳、障子、柱など、和室は自然素材で構成されています。
    スチール(金属)製のパイプベッドよりも、温かみのある木製フレームのベッドのほうが、和の雰囲気に自然に溶け込みます。
    柱や鴨居の色とベッドフレームの色を合わせると、部屋全体に統一感が生まれます。
  • シンプルなデザイン(ヘッドレス)を選ぶ:
    装飾が多いデザインは和室の中で浮いてしまいがちです。
    ヘッドボードがない「ヘッドレスタイプ」や、ヘッドボードがあっても薄型で直線的なシンプルなデザインを選ぶと、布団を敷く感覚に近くなり、和室のすっきりとした印象を保てます。

折りたたみベッドという選択肢

筆者作成イメージ:折りたたみベッドという選択肢

和室での湿気対策やスペースの有効活用を重視する場合、折りたたみベッドも有力な選択肢となります。

最大のメリットは、日中にベッドを折りたたんで部屋の隅に寄せておける点です。

これにより、ベッド下の畳にこもりがちな湿気を毎日解放できるため、カビ対策として非常に効果的です。

また、布団のように上げ下ろしの手間をかけずに、部屋を広く使えるようになります。

最近の折りたたみベッドには、床板がすのこになっているタイプや、キャスターで楽に移動できるタイプも多くあります。

いっぽうで、毎日折りたたむ作業を手間だと感じる可能性や、デザインの選択肢が通常のベッドフレームに比べて限られる点はデメリットとして考慮する必要があります。

ロフトベッドがダメな理由は何ですか?

筆者作成イメージ:ロフトベッドがダメな理由は何ですか?

ロフトベッドは空間を縦に使えるため、狭い部屋で人気がありますが、和室で使用するには複数の「ダメ」と言われる理由、すなわち重大な懸念点があります。

第一に、畳へのダメージです。ロフトベッドは構造上、全ての重量が4本の細い脚に集中します。

これは畳にとって最も過酷な条件であり、対策グッズを使ったとしても、深刻なへこみや傷が残る可能性が非常に高いです。

第二に、和室の空間との相性です。ロフトベッドは高さがあるため、ただでさえ天井が低めなことが多い和室に置くと、強い圧迫感を生み出します。

第三に、快適性の問題です。温かい空気は部屋の上部に溜まるため、ロフトベッドの上段は夏場に非常に暑くなりやすいです。

エアコンの冷気も届きにくく、寝苦しさを感じる場合があります。

さらに、構造上きしみ音が出やすい、はしごの昇り降りが面倒、寝具の交換が大変といったデメリットもあり、和室での使用はあまり推奨されません。

すのこベッドがダメな理由は何ですか?

筆者作成イメージ:すのこベッドがダメな理由は何ですか?

すのこベッドは、その優れた通気性から和室の湿気・カビ対策として最も推奨されるタイプの一つです。

実際、畳とマットレスの間に空気の通り道を確保する機能は、和室の寝室において非常に大きなメリットとなります。

しかし、いっぽうで「すのこベッドはダメだ」と言われる理由、あるいは購入後に後悔につながりかねない注意点も存在します。

それらを理解した上で選ぶことが大切です。

よく挙げられるデメリットは、主に3点あります。

第一に、冬場の「寒さ」です。

通気性が良いという最大のメリットが裏目に出て、畳や床からの冷たい空気がマットレスを通して伝わりやすくなります。

特に冷え性の方や、断熱性の低い部屋の場合は、冬は寒いと感じるかもしれません。

第二に、構造上の「きしみ音」です。

すのこベッドは木材を組み合わせて作られているため、寝返りを打った際やベッドの上で動いた際に、木材がきしむ音が発生しやすいタイプもあります。

静かな寝室では、この音がストレスになる可能性があります。

第三に、寝心地の「硬さ」です。

すのこの床板自体にはクッション性がありません。

そのため、薄すぎる敷布団や、厚みの足りないマットレスを使用すると、背中にすのこの板の硬さを感じてしまう(いわゆる「床付き感」)ことがあります。

そして、これらの点以上に最も注意すべき点は、「すのこだから絶対にカビない」という過信です。

確かに通気性は抜群ですが、マットレスや布団を敷きっぱなしにし、いわゆる「万年床」の状態にしてしまえば、すのこと寝具の接地面に湿気は溜まります。

その結果、すのこベッド自体がカビてしまうケースも珍しくありません。

このように、すのこベッドにはいくつかの注意点がありますが、その多くは厚手のマットレスを選ぶ、定期的に寝具を立てかけて風を通す、といった対策でカバーできるものです。

和室の最大の懸念である湿気を効率よく逃がすという点で、すのこベッドは畳の寝室において非常に有効な選択肢であると言えます。

【参照:国土交通省「省エネ性能に優れた断熱性の高い住宅の設計ガイド」

和室にベッド おしゃれなレイアウト

筆者作成イメージ:和室にベッド おしゃれなレイアウト

和室にベッドを置く際は、畳の保護やベッドの選び方だけでなく、レイアウト(配置)も重要です。

特に関係するのが「圧迫感の軽減」「生活動線の確保」です。

6畳などの限られたスペースの和室では、ベッドは部屋の大部分を占める家具となります。

配置を間違えると、部屋が実際よりも狭く感じられ、使い勝手も悪くなります。

おしゃれに見せるレイアウトのコツ

  • 壁際に寄せる:
    ベッドは部屋の中央ではなく、壁際にぴったりと寄せて配置するのが基本です。
    これにより、部屋の中央に空きスペース(動線)を確保できます。
  • 入口から遠い場所に置く:
    部屋の入口(ふすまやドア)を開けたときに、ベッドが視界の真正面にあると圧迫感を感じます。
    入口から最も遠い奥の壁際や、死角になる場所に配置するのが理想です。
  • 窓際に置く場合の注意:
    窓際にベッドを置くと開放感が得られますが、窓からの冷気や熱気、結露の影響を受けやすくなります。
    ベッドと窓は少し離して配置し、空気の通り道を作ることがカビ対策にもつながります。
  • 押入れ(収納)の前を塞がない:
    押入れやクローゼットのふすま・扉の開閉スペースを考慮し、ベッドを配置する必要があります。
    開閉のたびにベッドにぶつかるようでは、日常的なストレスの原因となります。
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まとめ:快適な和室にベッドを置く方法

和室にベッドを置く際のメリット、注意点、具体的な対策について解説しました。ポイントをまとめます。

  • 和室にベッドを置くことは可能
  • 畳は調湿機能やリラックス効果がメリット
  • 最大の懸念は「畳のへこみ」と「湿気によるカビ」
  • 賃貸物件では「原状回復」の義務に注意が必要
  • へこみ対策は「圧力の分散」が基本
  • ローベッドや脚なしタイプが畳への負担が少ない
  • 細い脚のベッドにはコルクマットや保護マットが必須
  • カビ対策には定期的な換気とマットレスの乾燥が不可欠
  • 和室に合うベッドは「ロータイプ」「木製」「シンプルデザイン」
  • 折りたたみベッドは湿気対策に有効な選択肢
  • ロフトベッドは畳へのダメージが大きく推奨されない
  • すのこベッドは通気性に優れるが、冬の寒さやきしみに注意
  • すのこベッドもメンテナンスを怠ればカビる
  • レイアウトは壁際に寄せ、入口や収納の前を避ける
  • 対策を講じることで和室でも快適なベッド生活が送れる

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