冬の生活に欠かせない『こたつ』ですが、シーズン中や片付けの時期に「これ、どうやって洗おう?」と悩むことってありますよね。
自宅の洗濯機には入らないし、クリーニング店に持っていくと数千円かかってしまうのが痛いところです。
そこで選択肢に上がるのがコインランドリーの活用ですが、本当にきれいに洗えるのか、中の綿が寄って使い物にならなくなるんじゃないかという不安もつきまといます。
実は素材や洗い方のポイントさえ押さえれば、コインランドリーは安くて早くて、ダニ対策までできる最強のメンテナンス方法になり得るのです。
今回は、家具やインテリアが大好きな私が調べた情報と実際の経験をもとに、失敗しないこたつ布団の洗い方をシェアしたいと思います。
- こたつ布団の素材によるコインランドリー利用の可否判断
- 中綿の偏りや失敗を防ぐための具体的な洗濯手順
- クリーニング店や他のサービスと比較した際の料金と時間のメリット
- コインランドリーでの乾燥がもたらす衛生面での効果
こたつ布団をコインランドリーで洗う手順とコツ
こたつ布団をコインランドリーへ持ち込む前に、まずは「洗えるものかどうか」を見極めることが何より大切です。
何も考えずに洗濯機に放り込んでしまうと、お気に入りの布団が縮んだり、中綿が団子状になって使えなくなったりする悲劇が起きてしまいます。
ここでは、失敗のリスクを最小限に抑えるためのチェックポイントと、具体的な手順について解説していきます。
洗濯表示を確認して判断

参考画像:消費者庁:新しい洗濯表示
まずは、お持ちのこたつ布団についている「洗濯表示(ケアラベル)」を必ず確認してください。
ここが全ての判断のスタートラインになります。
基本的には、桶に水が入っている「洗濯機マーク」や「手洗いマーク」がついていれば、コインランドリーでの洗濯に挑戦できる可能性が高いです。
特に相性が良いのは、ポリエステルなどの合成繊維で作られた布団です。
ポリエステルは水を吸ってもそこまで重くならず、乾きも早いのでコインランドリー向きの素材と言えますね。
一方で、注意が必要なのが「綿(コットン)」や「羊毛(ウール)」が使われている場合です。
綿100%の布団は水を吸うとものすごく重くなり、脱水時に洗濯機が回らなくなることがありますし、乾燥機にかけると縮んで硬くなるリスクがあります。
羊毛に至っては、水洗いするとフェルト化して劇的に縮んでしまうため、コインランドリーでの水洗いは厳禁です。
【注意】ドライクリーニング表示の場合
洗濯表示に「ドライ」マーク(円の中にPやFなどの文字)があり、水洗い不可となっている場合は、コインランドリーは利用できません。
無理に洗うと取り返しがつかないことになるので、素直にクリーニング店にお任せしましょう。
【参照:消費者庁:新しい洗濯表示】
失敗しないネットの入れ方

「洗える」と判断できたら、次は洗濯ネットへの入れ方です。
ここでのポイントは、布団をただ畳んで入れるのではなく、「ロールケーキ状に巻く」ことです。
こたつ布団を縦長に折り、端からくるくると巻いて円柱状にします。
この形にすることで、水が内部まで浸透しやすくなると同時に、型崩れを防ぐ効果があります。
ネットのサイズは、布団に対して大きすぎず小さすぎず、ジャストサイズのものを選ぶのがコツです。
大きすぎて中で布団が動いてしまうと、摩擦で生地が傷んだり、中綿が偏る原因になります。
もしネットが大きすぎる場合は、余った部分をひもやゴムで縛って、中で布団が動かないように固定してあげると安心ですよ。
乾燥のみ利用するメリット

「自宅の洗濯機で洗うことはできたけど、干す場所がない」「冬場は外に干しても全然乾かない」という悩みをお持ちの方も多いはずです。
そんな時は、「乾燥のみコインランドリーを利用する」という方法が非常に賢い選択です。
家庭用の洗濯機で脱水まで済ませて、濡れた状態でコインランドリーに持ち込み、大型のガス乾燥機で一気に乾かします。
コインランドリーの乾燥機は70℃〜80℃という高温の熱風が出るため、短時間でふわふわに仕上がります。
また、部屋干しで発生しがちな「生乾き臭」の原因となる菌の増殖も、高温乾燥なら防ぐことができます。
数百円のコストで、衛生状態と仕上がりの良さを手に入れられるので、私はこの「いいとこ取り」スタイルをよく実践しています。
【参照:独立行政法人 環境再生保全機構 (ERCA):ぜん息悪化予防のためのダニ対策】

敷布団は洗えない可能性
こたつ布団(掛け布団)を洗うついでに、下に敷いている「敷布団(ラグ)」も洗いたいと思うのが人情ですよね。
しかし、ここで注意が必要です。
多くのこたつ用敷布団には、クッション性を高めるために「ウレタンフォーム(スポンジ)」や、硬い「固綿」が中材として使われています。
ウレタンは水洗いに弱く、洗濯機の中でボロボロに崩れてしまうことがあります。
また、固綿が入っているタイプは折りたたむことが難しく、無理やり洗濯機に入れると、脱水時の回転バランスが崩れて洗濯機が緊急停止してしまうトラブルが多発します。
「洗える」と明記されているキルティングラグのような薄手のものでない限り、敷布団をコインランドリーで洗うのは避けたほうが無難です。
【参照:独立行政法人 製品評価技術基盤機構 (NITE):洗濯機・脱水機の事故防止】

中綿の偏りを防ぐポイント
コインランドリー利用で最も恐ろしい失敗、それは「中綿の偏り(団子化)」です。

洗濯・乾燥中に中綿が動いてしまい、布団の片隅に固まってしまう現象ですが、一度こうなると元に戻すのはほぼ不可能です。
これを防ぐためにチェックすべきなのが「キルティング加工」です。
キルティング(ミシンでの縫い目)がしっかりと施されていて、中綿が動かないように固定されているかを確認してください。
キルティングの間隔が広すぎたり、そもそも縫い目がなかったりする布団は、洗うと中の綿がズレてしまいます。
十分なキルティングがあることを確認した上で、先ほどご紹介した「ロール巻き」と「洗濯ネットの使用」を徹底することで、このリスクは大幅に軽減できます。
こたつ布団のコインランドリー料金と時間を解説
手順がわかったところで、次に気になるのは「コストパフォーマンス」ですよね。
クリーニング店に出すのと比べて、どれくらいお得なのか。
また、どれくらいの時間がかかるのか。
ここからは、経済面と時間面でのリアルな数字を見ていきましょう。
洗濯から乾燥までの時間

コインランドリーを利用する場合、洗濯から乾燥までにかかる時間の目安は、トータルで「約90分〜2時間」ほど見ておくと良いでしょう。
洗濯工程が約30分〜40分。
その後の乾燥工程が重要で、厚手のこたつ布団であれば60分〜80分ほどしっかり乾燥させる必要があります。
乾燥機を利用する際のコツとして、30分ほど経過したタイミングで一度ドアを開け、布団を裏返したり、奥と手前を入れ替えたりすることをおすすめします。
こうすることで熱風が全体に均一に当たり、中綿までふっくらと乾かすことができます。
生乾きのまま持ち帰るとカビの原因になるので、触ってみて熱気が抜けた後に湿り気を感じないか、念入りにチェックしてくださいね。
クリーニングとの料金比較
では、実際にどれくらい安いのでしょうか。
一般的なクリーニング店に持ち込んだ場合と、コインランドリーを利用した場合の料金を比較してみました。
| サービス内容 | 料金相場 (1枚あたり) | 所要日数 |
|---|---|---|
| コインランドリー | 約1,600円 〜 2,200円 | 即日 (約2時間) |
| 一般クリーニング店 | 約3,000円 〜 6,000円 | 3日 〜 1週間 |
| 宅配クリーニング | 約4,500円 〜 (送料込) | 1週間 〜 |
ご覧の通り、コインランドリーを利用すれば、クリーニング店の半額以下で済むケースがほとんどです。
特にコインランドリーの強みは、「洗濯機の容量で料金が決まる」という点です。
もし大型の洗濯機にこたつ布団と毛布を一緒に入れて洗えれば、1枚あたりのコストはさらに安くなります。
ニトリなどの他サービス

最近では、家具販売店のニトリなどが布団クリーニングサービスに力を入れています。
ニトリのサービスの特徴は、「個別洗い」を謳っている点でしょうか。
コインランドリーは不特定多数の人が使った機械で洗うため、衛生面でどうしても抵抗があるという方もいらっしゃいます。
そういった方にとっては、他の人の洗濯物と混ざらず、自分専用として洗ってくれるサービスの価値は高いですよね。
「安さ」をとるか、「安心感・個別対応」をとるか。
ご自身の優先順位に合わせて使い分けるのが良いかなと思います。
詳しくはこちら→『ニトリの布団洗い・宅配クリーニングサービス』
【参照:厚生労働省:コインランドリー営業施設の衛生措置等指導要綱】
宅配クリーニングの保管

参考画像:リナビス公式サイト
春先になってこたつを片付ける際、洗った後の「保管場所」に困ることはありませんか?
日本の住宅事情では、かさばるこたつ布団の収納スペースを確保するのも一苦労です。
そんな時に便利なのが、保管サービス付きの宅配クリーニング『リナビス』です。
クリーニング代金は少し高めですが、次のシーズンまで半年間ほど専用の倉庫で預かってくれるサービスが含まれていることが多いです。
「クリーニング代 + 半年間のトランクルーム代」と考えれば、実はかなりコスパが良い選択肢かもしれません。
収納スペースを空けたい方には、特におすすめの方法です。
詳しくはこちら→:『リナビス公式サイト』

洗濯機のサイズと容量選び

最後に、コインランドリーで洗濯機を選ぶ際のサイズ選びについてです。
「入ればいい」と思って無理やり小さな洗濯機に詰め込むのはNGです。
洗浄力を発揮するためには、ドラムの中で布団が叩き落とされる動き(機械力)が必要です。
目安としては、こたつ布団を入れた状態で、ドラム内に「こぶし2つ分くらいの隙間」がある状態が理想的です。
こたつ布団単体であれば15kg〜22kgクラス、敷布団や毛布も一緒に洗うなら22kg〜32kgクラスの大型機を選ぶようにしましょう。
少し大きめのサイズを選ぶことが、汚れ落ちを良くし、洗剤残りを防ぐためのコツですよ。

こたつ布団はコインランドリーで洗うのが正解
ここまで、こたつ布団をコインランドリーで洗うためのノウハウをご紹介してきました。
結論として、ポリエステル素材でキルティング加工がしっかりされているこたつ布団であれば、コインランドリーの活用は「コスト」「時間」「ダニ対策」のすべての面で非常に合理的な選択だと言えます。
特に、高温乾燥によるダニ退治効果は天日干しでは得られない大きなメリットです。
ただし、素材や構造によっては適さないものもあるため、事前の洗濯表示確認だけは忘れずに行ってくださいね。
この記事が、皆様の快適なこたつライフのお役に立てれば嬉しいです。
※本記事の情報は執筆時点の一般的な目安です。
製品の仕様やコインランドリーの設備によって条件は異なりますので、最終的な判断は製品タグや各店舗の案内に従い、自己責任で行ってください。


