リビングに収納がないと、物が片付かず空間が散らかって見えがちです。
特に、狭いリビングに収納がない場合の工夫は難しく、どうすればスッキリするのか悩む方も多いでしょう。
賃貸でできる壁を傷つけない収納術を探している方もいれば、逆に新築で検討したい収納計画を立てている方もいるかもしれません。
この記事では、まずリビングに収納するものリストの活用法を見直し、リビングに収納を作る方法と選び方を解説します。
さらに、後付けできる収納家具の配置テクや、棚がない壁面への対処法など、具体的な狭いリビング収納アイデアも網羅しています。
使いやすいリビング収納のコツを押さえ、参考になる収納 実例を紹介しながら、快適な空間作りのヒントをお届けします。
- 狭いリビングや賃貸など状況別の収納対策
- リビングに適した収納家具の選び方と配置テクニック
- デッドスペースを有効活用する具体的なアイデア
- おしゃれな収納実例と散らからないための仕組み作り
リビングに収納がない場合の状況別対策
狭いリビングに収納がない場合の工夫

狭いリビングに収納がない場合、収納家具を置くことでさらに圧迫感が出てしまうのではないかと心配になるかもしれません。
このような状況では、収納力を確保しつつ、いかに部屋を「広く見せる」かが鍵となります。
具体的には、視線の抜けを作る家具選びが大切です。
例えば、背の高い家具は圧迫感を与えやすいため、できるだけ背の低いローボードやシェルフを選ぶと、壁の見える面積が増えて空間に広がりを感じさせます。
また、家具の色選びも影響します。
白やベージュといった明るい膨張色は、空間を広く見せる効果が期待できます。
壁や床の色と家具の色を同系色で合わせることで、家具が空間に溶け込み、スッキリとした印象を与えられます。
デッドスペースの活用も欠かせません。
ソファの下やテーブルの下、部屋の隅などは、収納スペースとして活用しやすい場所です。
狭いリビング収納アイデア5選

狭いリビングでもすぐに実践できる、収納力を高める具体的なアイデアを5つ紹介します。
床面積を使わずに縦の空間を利用できるため、狭いリビングと非常に相性が良い方法です。
座面の下に収納スペースがあるソファや、引き出し付きのローテーブルなどを選べば、家具としての機能と収納機能を両立できます。
前述の通り、ソファ下やカウンター下などに薄型の収納ボックスやラックを設置すると、無駄なくスペースを使えます。
突っ張り棒やフック、マグネットなどを利用して、掃除用品や小物を壁に掛ける方法です。
床に物を置かないことで、掃除がしやすくなるメリットもあります。
散らかりがちな小物を一時的にまとめて入れる場所を作るだけで、見た目の乱雑さを防げます。
賃貸でできる壁を傷つけない収納術


参考画像:ディアウォール(左) ラブリコ(右)
賃貸住宅では、壁に穴を開けたり傷をつけたりすることが難しいため、収納作りに制限がかかります。
このような場合、原状回復が可能な収納術が求められます。
最も一般的な方法は、「突っ張る」技術を活用することです。
市販されている「ディアウォール」や「ラブリコ」といったアイテムを使えば、2×4(ツーバイフォー)材などの木材を床と天井で突っ張らせて柱を作れます。
【参照:DIAWALL(ディアウォール)公式サイト】
【参照:LABRICO(ラブリコ)公式サイト 】
この柱に棚板を取り付ければ、壁を一切傷つけることなく、本格的な壁面収納をDIYで設置可能です。
また、「置く」タイプの家具も有効です。
薄型のキャビネットやオープンシェルフであれば、壁際に設置しても動線の邪魔になりにくいでしょう。
「掛ける」方法も見逃せません。
ドアの上部やクローゼットの扉に引っ掛けて使うドアフックや、長押(なげし)・鴨居(かもい)に設置できる専用フックは、上着やバッグを手軽に掛けるスペースを作れます。
リモコンなどは、壁やテーブルの側面にマジックテープ(面ファスナー)の粘着テープ側を貼り、リモコン本体にフック側を貼ることで「空中収納」にするテクニックもあります。
ただし、突っ張り式のアイテムを使用する際は、設置箇所の天井や床の強度を確認し、製品の耐荷重を必ず守るように注意してください。
【参照:国土交通省(原状回復をめぐるトラブルとガイドライン)】
新築で検討したい収納計画

これから新築を建てる、あるいはリノベーションを計画している場合、リビングの収納問題を設計段階で解決できる絶好の機会です。
最も効果的なのは、生活動線に組み込んだ「造作収納」を取り入れることです。
例えば、テレビを設置する壁一面に、テレビボードを兼ねた大容量の壁面収納を造り付けると、見た目に統一感があり、ホテルのようなスッキリとした空間を演出できます。
配線類も壁の内部を通す設計にすれば、生活感を徹底的に隠すことが可能です。
また、「ファミリークローゼット」をリビングの近くに配置する間取りも人気があります。
家族の上着やバッグ、ランドセルなどをまとめて収納できるため、リビングに物が持ち込まれるのを防げます。
他にも、階段下のスペースや、和室の小上がり下のデッドスペースを引き出し収納にするなど、設計段階だからこそ実現できるアイデアは豊富にあります。
新築時に収納計画をしっかり行うメリットは、デザインの統一感と十分な収納量を確保できる点です。
いっぽうで、一度造り付けてしまうと後からレイアウト変更が難しい点や、コストが上がりやすい点はデメリットとして考慮しておく必要があります。

リビングに収納がない場合の実践アイデア
- リビングに収納するものリストの活用
- リビングに収納を作る方法と選び方
- 後付けできる収納家具の配置テク
- 棚がない壁面への対処法
- 使いやすいリビング収納のコツ
- 参考になる収納の実例を紹介
- リビングに収納がない場合の総括
リビングに収納するものリストの活用

リビングに収納がないと感じる場合、まずは「リビングに何を収納したいのか」を明確に把握することから始めましょう。
収納スペースが不足しているのではなく、本来リビングに置かなくてもよい物まで集まってきている可能性もあります。
まず、現在リビングに散らばっている物や、リビングにあると便利だと思う物を紙に書き出してみてください。
一般的にリビングに集まりがちなアイテムには、以下のようなものが挙げられます。
- 家族共有の小物: 文房具(ペン、ハサミ)、爪切り、耳かき、体温計、救急箱
- 書類: 学校や地域のプリント、郵便物、家電の取扱説明書
- メディア・趣味: 新聞、雑誌、本、DVD、CD、ゲーム機、コントローラー
- 子供・ペット用品: おもちゃ、ランドセル、おむつ、ペットシート
- 一時置きするもの: 上着、コート、バッグ、鍵、財布
- その他: リモコン類、ティッシュ、掃除道具(ハンディモップなど)、ブランケット
リストアップができたら、次に「使用頻度」で分類します。
「毎日使うもの」「週に1回使うもの」「たまにしか使わないもの」に分けることで、本当にリビングに必要な収納の量と、どの位置に収納すべきかが見えてきます。
このリストが、後述する収納家具選びの基礎となります。
リビングに収納を作る方法と選び方


収納するものリストで必要な収納量が見えたら、次は具体的な収納家具を選びます。
収納作りで大切なのは、「見せる収納」と「隠す収納」を上手に使い分けることです。
「見せる収納」とは、オープンシェルフや飾り棚のように、収納物自体をインテリアの一部として見せる方法です。
お気に入りの雑貨や表紙の美しい本、観葉植物などを飾るのに適しています。
メリットは、圧迫感が少なく、おしゃれな雰囲気を演出できる点です。
いっぽうで、ごちゃごちゃして見えるデメリットもあるため、飾る物は厳選し、余白を残すことが求められます。
「隠す収納」は、扉付きのキャビネットや引き出し、蓋付きのボックスなどを用い、中身を見えないようにしまう方法です。
書類、配線類、掃除道具、カラフルなおもちゃなど、生活感が出やすいアイテムの収納に向いています。
リビング全体をスッキリと見せ、清潔感を保てるのが最大のメリットです。
家具を選ぶ際は、これらのバランスを考え、自分のリストにある収納物に合わせて選びます。
さらに、リビングの床や壁、他の家具と色やテイスト(木製、スチール製など)を揃えると、後付けの家具でも空間に統一感が生まれ、洗練された印象になります。
【参照:NITE(汚れ、踏まれ、引っこ抜かれる~『プラグ・コード・コンセントの事故』で気をつけるポイント~)】
後付けできる収納家具の配置テク

リビングに後から収納家具を追加する場合、配置場所が非常に大切です。
やみくもに置くと生活動線を妨げ、かえって部屋を狭くしてしまう恐れがあります。
後付け家具の配置で狙うべきは、「デッドスペース」の活用です。
例えば、ソファの横や後ろのわずかな隙間は、サイドテーブルやスリムなコンソールテーブルを置くのに最適です。
飲み物やリモコンを置くだけでなく、下段に収納スペースがあるタイプを選べば、雑誌やブランケットも片付きます。
テレビの横も代表的なデッドスペースです。
テレビボードと同じデザインや高さのキャビネットを横に並べると、収納力が大幅にアップするうえ、見た目にも統一感が出ます。
また、キッチンカウンターの下も、薄型の収納棚やカラーボックスを設置しやすい場所です。
配置のテクニックとしては、部屋の入り口から奥に向かって、背の低い家具から高い家具へと順番に配置すると、視線が奥へ抜けて部屋が広く感じられる効果があります。

棚がない壁面への対処法

参考画像:無印良品「壁に付けられる家具」
備え付けの棚が一切ないリビングの壁面は、最大の収納潜在能力を持つスペースと言えます。
床面積を消費せずに大容量の収納を確保できるため、積極的に活用しましょう。
対処法は、住宅の状況によって異なります。
突っ張り式(賃貸向け)
前述の通り、賃貸などで壁に穴を開けられない場合は、突っ張り式のアイテムが活躍します。
ディアウォールやラブリコを使い、床と天井の間に柱を立て、そこに棚板やフックを取り付ければ、壁一面を収納スペースに変えられます。
壁掛け式(持ち家・賃貸併用)
持ち家や、石膏ボードの壁で細いピンの使用が許可されている賃貸であれば、壁掛け式の棚も選択肢に入ります。
例えば、無印良品の「壁に付けられる家具」シリーズは、専用のピンで固定するため、外した跡が目立ちにくいのが特徴です。
小物を飾る「見せる収納」として適しています。
置き家具(壁面収納ユニット)
最も手軽で大容量なのが、市販の壁面収納ユニットを設置する方法です。
ニトリやIKEAなどでは、テレビボード、キャビネット、シェルフなどを自由に組み合わせられるユニット家具が販売されています。
これらを壁一面に配置することで、造作家具のような収納スペースが完成します。
ただし、壁一面を覆うと圧迫感が出やすいため、背板のないオープンシェルフタイプを一部に取り入れたり、色は白などの膨張色を選んだりする工夫が効果的です。

使いやすいリビング収納のコツ

収納家具を設置しても、使い勝手が悪いと結局は物が散らかってしまいます。
「使いやすい」収納の最大のコツは、「定位置管理」を徹底することです。
家族の誰もが「どこに何があるか」「使った後はどこに戻すか」が分かる仕組みを作ることが大切です。
そのために、まずは「使う場所の近くに収納する」ことを徹底します。
例えば、テレビのリモコンやゲーム機はテレビボード周りに、文房具はリビング学習や作業をするテーブルの近くに収納場所を設けます。
使用頻度に応じて収納場所の高さを変えるのも有効です。
毎日使う一軍アイテムは、立ったまま、あるいは座ったまま楽に手が届く「ゴールデンゾーン」(目線から腰の高さ)に配置します。
引き出しやボックスの中は、仕切りを使って細かく分類し、ラベリングをすると、物が迷子になるのを防げます。
また、片付けのハードルを下げるために「一時置き場」を設けることも非常に有効なコツです。
郵便物や鍵、毎日使うバッグなどは、床やテーブルに直置きするのではなく、おしゃれなカゴやトレーを指定席として用意します。
「帰宅したら、まずここに入れる」というルールを決めるだけで、床やソファの上が散らかるのを劇的に防げます。
参考になる収納の実例を紹介
実際の収納成功例を見ることは、自分のリビングに応用できるアイデアの宝庫です。
データベースにある実例から、いくつかのパターンを紹介します。
テレビボードの横に、同じシリーズのキャビネットを配置した実例です。
デザインや色合い、高さを揃えることで、後付け感がなくなり、まるで造り付けのような高級感が生まれます。
テレビ周りの雑多な機器やDVD、書類などをキャビネットに「隠す収納」することで、リビング全体が非常にスッキリとした印象になります。
ワンルームや広いLDKで、ソファを部屋の中央に配置する場合、その背面は絶好の収納スペースです。
背の低いオープンシェルフをソファの背面にぴったりとつけて配置すると、リビングとダイニングをゆるやかに仕切るパーテーションの役割を果たしながら、本や雑貨を収納できます。
壁の構造上できてしまった凹凸(デッドスペース)に、市販のユニット収納やカラーボックスをピッタリとはめ込んだ実例です。
家具が出っ張らないため動線を妨げず、壁と一体化して見えるため、部屋が広く感じられます。
リビングの一角に小上がりの畳スペースを設け、その段差部分を全て大容量の引き出し収納にした実例です。
普段使わない季節物や、子供のおもちゃなどをまとめて「隠す収納」できるため、リビングの生活感を一掃できます。
リビングに収納がない場合の総括
最後に、リビングに収納がない場合に試していただきたい対策や考え方の要点をまとめます。
- リビングに収納がない悩みは多くの人が抱えている
- 対策の第一歩は「リビングに収納するもの」をリスト化すること
- 使用頻度や使う場所に応じて「物の定位置」を決める
- 狭いリビングでは背の低い家具や明るい色を選ぶ
- 家具の色やテイストを統一するとスッキリ見える
- 賃貸では「突っ張り式」や「置き家具」で壁を傷つけない
- ディアウォールやラブリコは賃貸DIYの強い味方
- 新築時は「造作収納」や「リビングクローゼット」を検討する
- 生活感の出る物は「隠す収納」(扉付きキャビネット)
- お気に入りの雑貨は「見せる収納」(オープンシェルフ)
- デッドスペース(ソファ横、カウンター下)を徹底活用する
- 棚がない壁面には壁面収納ユニットが有効
- 床に物を置かないルールを作る
- 散らかり防止に「一時置き場」(カゴ、トレー)を設置する
- 収納付き家具(ソファ、テーブル)でスペースを兼用する
- 家族全員が分かるようラベリングするのも効果的

