おしゃれなカフェのような雰囲気に憧れて、ご自宅のダイニングに丸テーブルを検討されている方はとても多いですね。
しかし、いざ購入しようと検索してみると「丸テーブルは後悔する」「狭いリビングだと使いにくい」といったネガティブなキーワードを目にして、不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際のところ、四角いテーブルとは全く異なる特徴を持つ丸テーブルには、導入前に知っておくべき明確なデメリットや、テレワークなどの作業環境における向き不向きが存在します。
この記事では、私自身がインテリアに関わってきた経験を踏まえ、丸テーブルを選んで失敗してしまう構造的な要因と、それでも導入したい場合に押さえておくべき対策について詳しくお話しします。
- 狭いリビングで丸テーブルが場所を取る本当の理由
- 壁付けできない形状が動線に与える具体的な影響
- テレワークや家事での作業効率が下がる構造的な原因
- 後悔しないためのサイズ選びと配置のテクニック
狭いリビングの丸テーブルで後悔する原因
一見するとコンパクトで可愛らしい印象を与える丸テーブルですが、実は日本の一般的な住宅事情、特に限られたスペースのリビングダイニングにおいては、想像以上に場所を取ってしまう家具なんです。
なぜ「狭い」と感じてしまうのか、その空間的なミスマッチや機能面での使いにくさについて、まずは具体的な原因を深掘りしていきましょう。
狭いリビングではデッドスペースが発生

丸テーブルを導入して最も後悔しやすいのが、部屋のスペースを有効活用しきれないという点です。
一般的な長方形や正方形の部屋に対して円形の家具を置くと、どうしても部屋の四隅や壁際との間に無駄な空間、いわゆる「デッドスペース」が生まれてしまいます。
四角いテーブルなら部屋の形に合わせてピタッと収まる場所でも、丸テーブルだと角がない分、周囲に中途半端な隙間ができてしまうんですね。
広い一軒家ならその隙間が「ゆとり」として機能しますが、限られた広さのマンションや狭いリビングにおいては、単に「使えない場所」が増えるだけになってしまいがちです。
特に収納家具を置きたい場合や、部屋を広く見せたい場合には、このデッドスペースがかなり痛手になります。
「思った以上に部屋が狭くなってしまった」という後悔の声は、この幾何学的な不適合から生まれていることが多いのです。
【参照:国土交通省 住生活基本計画 居住面積水準】

壁付けできないデメリットと動線の無駄

丸テーブルの最大の弱点とも言えるのが、「壁に付けて配置できない」という点です。
正確には壁に寄せることはできますが、接点が「点」にしかならないため、テーブルと壁の間に三角形の隙間ができてしまいます。
四角いテーブルであれば、片側を壁やキッチンカウンターにぴったりと付けることで、動線を確保したり部屋を広く使ったりすることができますよね。
しかし、丸テーブルの場合は基本的に部屋の中央に置く「アイランド型」の配置が前提となります。
そうなると、テーブルの周囲360度すべてに人が通るための通路や、椅子を引くためのスペース(引きしろ)を確保しなければなりません。
【注意】
一般的に、椅子を引いて座るためにはテーブルの端から約60cm〜80cmのスペースが必要です。
丸テーブルの場合、これを全周に確保する必要があるため、実際にはテーブルの直径+120cm以上の円形のスペースを占有することになります。
結果として、部屋の真ん中にドーンと居座る形になり、生活動線を分断してしまったり、他の家具を置くスペースを圧迫したりすることに繋がるのです。
テレワークで使いにくい天板の形状

コロナ禍以降、ダイニングテーブルで在宅ワークをする方が増えましたが、ここでも丸テーブル特有の使いにくさが顔を出します。
丸テーブルは手元が弧を描いているため、身体の正面部分の奥行きは確保できても、左右のスペースが削ぎ落とされた形になっています。
長方形のテーブルなら、ノートパソコンの横に資料を広げたり、マウスパッドを置いたり、あるいは肘をついてリラックスしたりすることができます。
しかし、丸テーブルだと「肘の置き場がない」という問題が頻発します。
キーボードを打つ時に肘が宙に浮いてしまい、長時間作業をしていると肩や首への負担がかなり大きくなってしまうんです。
また、集中したい時に「壁に向かって作業する」というレイアウトが作りにくいのも難点です。
常に部屋の中心を向いて座ることになるため、家族の動きが視界に入ったり、テレビが気になったりと、仕事に没頭しにくい環境になりがちです。
テレワーク環境としての適性は、正直なところ四角いテーブルに軍配が上がると言わざるを得ません。
【参照:厚生労働省:テレワークの適切な作業環境】
椅子の脚が邪魔で座りにくい構造的欠陥

デザイン重視で選びがちな丸テーブルですが、実際に座ってみて初めて気づくのが「脚」の問題です。
丸テーブルには大きく分けて「4本脚タイプ」と、中央に太い脚がある「1本脚タイプ」がありますが、どちらも一長一短があります。
4本脚タイプの場合、円周上に脚が配置されるため、椅子をテーブルの下に深く収納しようとすると脚同士がぶつかってしまうことがあります。
特に人数が増えた場合、誰かがテーブルの脚を股に挟んで座る、いわゆる「お誕生日席」状態にならざるを得ず、非常に窮屈な思いをすることになります。
【メモ】
「じゃあ1本脚ならいいのでは?」と思うかもしれませんが、1本脚タイプは安定させるために土台(ベース)部分が大きく作られていることが多いです。
この大きな土台が、座っている人の足の置き場を制限してしまったり、椅子の脚が乗り上げてガタガタしたりする原因になります。
足元の自由度が低いというのは、毎日の食事において地味ながら確実なストレス要因となって蓄積していきます。
部屋の四隅を活用できない配置の限界

先ほどのデッドスペースの話にも繋がりますが、テーブル上の「四隅」がないことも、使い勝手を悪くする要因の一つです。
四角いテーブルの四隅は、食事の際にティッシュや調味料、スマホ、ウェットティッシュなどをちょっと置いておく「サブスペース」として非常に優秀な働きをしています。
しかし、丸テーブルにはこの四隅が存在しません。
そのため、共有で使うアイテムはすべてテーブルの中央に集約させる必要が出てきます。
結果として、テーブルの真ん中が物で溢れかえってしまい、肝心の料理を置くスペースが狭くなってしまうのです。
「おしゃれにサラダボウルや大皿料理を置きたい」と思っていても、実際にはティッシュ箱やリモコンに場所を奪われてしまう。
この「逃げ場のない狭さ」は、実際に生活を始めてみてから「失敗した!」と感じやすいポイントですね。
丸テーブルで後悔しないための選び方と対策
ここまで丸テーブルのデメリットばかりをお伝えしてしまいましたが、もちろん丸テーブルには「角がない安全性」や「空間を柔らかくするデザイン性」、「全員の顔が見えるコミュニケーションの良さ」といった素晴らしいメリットもあります。
大切なのは、ご自宅の環境が丸テーブルに適しているかを冷静に見極め、デメリットをカバーする選び方をすることです。
ここからは、導入して後悔しないための具体的な基準と対策について解説していきます。
4人で使う場合に最適なサイズの基準

丸テーブル選びで最も失敗が多いのが「サイズ選び」です。
メーカーのカタログなどには「直径100cm=4人用」と書かれていることが多いですが、これを鵜呑みにするのは危険です。
実際に直径100cmの丸テーブルに大人4人が座ると、隣の人と肘が当たったり、お皿を並べた時に窮屈さを感じたりすることがほとんどです。
【後悔しないサイズの目安】
- 2〜3人利用:直径90cm〜100cm
- 4人利用(ゆったり):直径110cm〜120cm
- 5人以上:直径120cm以上(ただし中央が遠くなる問題あり)
もし4人家族で日常的に食事をするのであれば、最低でも直径110cm、できれば120cmは確保したいところです。
ただし、サイズを上げれば上げるほど、第1章で触れた「部屋の占有面積」は爆発的に増えていきます。
ご自宅のリビングに、直径120cmのテーブル+椅子の引きしろを含めた「約2.6m四方」のスペースを確保できるか、メジャーを使ってしっかりシミュレーションしてみてください。
食べにくい距離感を防ぐ子供との食事

丸テーブルは「対面の人との距離が遠くなる」という特徴があります。
直径120cmのテーブルの場合、向かい合わせに座った人とは1.2m離れることになります。
これは一般的な長方形テーブルの幅(80〜90cm)と比べると30〜40cmも遠い距離です。
大人同士の会話なら問題ありませんが、小さなお子さんがいる家庭では「食べさせる時に手が届かない」「こぼした時にすぐに拭いてあげられない」といった弊害が出てきます。
また、大皿料理を中央に置いた場合、座ったままでは届かず、いちいち立ち上がって取り分ける必要が出てくることも。
この「遠さ」を解消するためには、あえて一回り小さいサイズを選ぶか、あるいは大皿料理はキッチンで取り分けてから配膳する「個食スタイル」に切り替えるなどの運用面での工夫が必要になります。
ランチョンマットも四角いものだと隣と干渉してしまうため、円形や楕円形の専用マットを用意するのがおすすめです。
食卓の格を上げる【チルウィッチのラウンドマット】
四角いマットが隣と重なり合う「あの気まずさ」とは、もうサヨナラしましょう。
丸テーブルの曲線に美しく寄り添うこのラウンドマットを敷いた瞬間、そこには誰にも邪魔されない「自分だけの聖域」が確立されます。
隣の人と肘やマットがぶつかるストレスが消えるだけでなく、円の中に円がある幾何学的な美しさが、いつもの食事を「レストランの一皿」のように格上げしてくれます。
安価なビニール製とは一線を画す、織物のような上質なテクスチャーは、水拭きだけで汚れが落ちるのに、見た目はとびきりラグジュアリー。
「狭いから丸テーブルにした」のではなく、「この景色が見たかったから丸テーブルを選んだのだ」と、自分の選択に自信が持てるようになる一枚です。
おすすめな人
- 丸テーブルでの食事中、隣の人とのマットの重なりがプチストレスな人
- サッと拭くだけで手入れが完了する、機能美を求める人
- 殺風景になりがちなダイニングに、ホテルのような彩りを加えたい人
おすすめできない人
- 布製のマットを毎回洗濯機でジャブジャブ洗いたい派の人
- ランチョンマットに1枚数千円も出すのは抵抗がある人
- 完全な撥水性(水玉のように弾く)を求めている人(編み目から水分は透過します)
【chilewich(チルウィッチ) ラウンド ランチョンマット】
転倒リスクなどの安全性を考慮する
小さなお子さんがいるご家庭で丸テーブルが選ばれる理由の一つに、「角がないから頭をぶつけても怪我をしにくい」という安全性があります。
これは確かに大きなメリットですが、一方でテーブル自体の「転倒リスク」には注意が必要です。
特に中央に脚がある「1本脚タイプ」の丸テーブルは、天板の端に手をついて立ち上がろうとしたり、子供がぶら下がったりした際に、てこの原理でグラッと傾いたり、最悪の場合は転倒してしまう危険性があります。
これを防ぐためには、脚のベース部分が重くしっかりした作りのものを選ぶか、安定感のある4本脚タイプを選ぶのが賢明です。
「角の安全性」を取るか、「構造的な安定感」を取るか。
お子様の年齢や活発さを考慮して、優先順位を決めていくことが大切ですね。
【参照:国民生活センター 家具の転倒防止】
デメリットを解消するレイアウトの工夫

「部屋はそこまで広くないけれど、どうしても丸テーブルが置きたい!」
そんな場合には、発想を転換したレイアウトでデメリットを緩和することができます。
一つの方法は、「あえて壁に寄せてしまう」ことです。
丸テーブルを壁に押し当てて配置し、壁側の席は使用せず、3人掛けや2人掛けとして割り切って使います。
壁側のデッドスペースには、お気に入りの雑貨を飾ったり、調味料スタンドを置いたりと「ディスプレイコーナー」として活用すれば、無駄な空間ではなくなります。
また、ペンダントライトをテーブルの中心真上に低めに吊るすことで、視線を中央に集め、部屋の中途半端な位置にある違和感を「意図的なゾーニング」として演出することも可能です。
さらに、手狭になりがちな天板を補うために、テーブルの高さに合ったワゴンやサイドテーブルを脇に置くのも非常に有効です。
これにより、ティッシュやリモコン、ノートパソコンなどを一時的に逃がす場所ができ、テーブルの上を広く使うことができます。
丸テーブルの救世主【ニトリのスチールワゴン トロリ】
このワゴンを一台、丸テーブルの脇にスタンバイさせるだけで、あなたのダイニングは「狭くて不便な食卓」から「機能的な特等席」へと進化します。
食事の時は、テーブルに乗り切らない調味料やティッシュ、飲みかけのボトルをワゴンへ。
まるでカフェのサイドサービスのように、メインの料理だけを広々とテーブルに展開できる「優雅な余白」が生まれます。
そして何より感動するのは、テレワークから夕食への切り替えの瞬間です。
仕事道具をガサッとワゴンに放り込み、ゴロゴロと部屋の隅へ追いやるだけで、仕事モード終了。
「片付ける場所がない」というストレスから解放され、オンとオフが物理的に分断される心地よさは、一度味わうと手放せません。
おすすめな人
- 丸テーブルの上をいつもスッキリ広々と使いたい人
- 食事のたびにノートパソコンの置き場に困っている人
- テーブル周りのごちゃつきを「移動できる収納」で解決したい人
おすすめできない人
- 床に物を置くことに抵抗があり、ルンバなどの走行を最優先したい人
- ワゴンの組み立て作業がどうしても苦手な人
- 完全な隠す収納(扉付き)を好む人
【ニトリ 高さ調節ができるスチールワゴン トロリ】

丸テーブル導入で後悔しないための結論
丸テーブルは、空間に柔らかいリズムを生み出し、食卓を囲む人々の視線を中心に向けてくれる素敵な家具です。
しかし、その導入には「十分なスペース」と「不便さを許容できるライフスタイル」が求められます。
| 項目 | 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|---|
| 部屋の広さ | 10畳以上のゆとりがあるLDK | 家具で埋まっている狭いリビング |
| 主な用途 | 食事や会話を楽しむ | テレワークや学習がメイン |
| 優先順位 | デザイン・雰囲気・安全性 | 効率・収納・動線確保 |
もしあなたが、効率や機能性よりも「家族団らんの空気感」や「インテリアの雰囲気」を何より大切にしたいのであれば、丸テーブルは多少の不便さを超えて、愛着のある家具になるはずです。
一方で、部屋を少しでも広く使いたい、仕事もバリバリこなしたいという場合は、無理をせず長方形のテーブルや、角が丸く処理された楕円形のテーブルを検討するのが正解かもしれません。
ご自身の生活スタイルと部屋のキャパシティを冷静に見つめ直し、長く愛せる一台を選んでくださいね。


