部屋のスペースを有効活用できる収納付きベッドは、ワンルームや荷物が多い方にとって非常に魅力的な選択肢です。
しかし、購入を検討する中で「デメリット」や「後悔」といった声も聞こえてきます。
具体的に、収納付きベッドの欠点は何か、そしてベッド下収納はよくない理由とは何でしょうか。
多くの人が「後悔」しやすいポイントとして、湿気やカビの問題、掃除や組み立ての手間、さらには部屋に置いた際の圧迫感とコスト面が挙げられます。
この記事では、これらの主なデメリットを詳しく解説します。
同時に、必須の湿気対策や具体的なカビ対策、さらにはデメリットだけじゃない!メリットや、収納付きベッドの種類と特徴についても触れていきます。
ニトリ・無印・IKEAの人気商品はどうなのか、といった点も比較しながら、購入後に後悔しないための情報をお届けします。
- 収納付きベッドの主なデメリット(湿気・カビ・掃除の問題)
- デメリットを解消するための具体的な湿気・カビ対策
- デメリットとメリットの比較、収納タイプの種類と特徴
- ニトリ・無印・IKEAなど人気メーカーの傾向
知っておきたい収納付きベッドのデメリット
収納付きベッドの欠点は何ですか?主なデメリット

収納付きベッドの購入を検討する際、最も注意すべき主な欠点は「湿気」と「掃除」に関する問題です。
これは、収納付きベッド特有の構造に起因します。
ベッド下全体が収納スペースで塞がれているため、床とベッドの間に隙間がほとんどありません。
これにより、空気の循環が著しく悪くなり、通気性が非常に低い状態となります。
人は寝ている間にコップ1杯分の汗をかくと言われていますが、その湿気はマットレスを通過し、通常はベッド下から放出されます。【参照:厚生労働科学研究成果(~健常者における睡眠時の発汗活動とその季節変動~ )】
しかし、収納付きベッドの場合は湿気の逃げ場がなく、床板の下にある収納スペースにこもりがちになります。
結果として、湿度の高い環境が維持されやすく、カビやダニが好む環境(温床)になる可能性があると言われています。
さらに、ベッド下が物で塞がっているため、ベッド周りやベッド下に溜まったホコリを掃除機などで手軽に掃除することができません。
清潔な環境を維持するためには、収納部分を一度全て取り出すといった大きな手間が必要になります。
ベッド下収納はよくない理由とは?

ベッド下収納が「よくない」と言われる最大の理由は、その環境が収納した物自体に悪影響を及ぼしやすいためです。
前述の通り、収納付きベッドは通気性が悪く、湿気がこもりやすい構造をしています。
このこもった湿気を、ベッド下に収納した衣類やリネン類が吸い取ってしまうのです。
実際に使用している方からは、「引き出しから出したリネンがなんとなく冷たく湿っぽい」「衣類を取り出したらカビ臭くなっていた」といった声も少なくありません。
また、密閉されているように見えても、ベッドのわずかな隙間からホコリが侵入しやすいです。
引き出しのレール部分や奥まった場所にホコリが溜まり、収納物がホコリまみれになってしまうことも考えられます。
衛生的に保管するのが難しい点が、よくないと言われる大きな理由です。
「後悔」しやすいポイント

収納付きベッドを購入した後に「後悔」しやすいのは、主に「衛生面」と「利便性」において、期待していたイメージとの間にギャップが生じた時です。
購入前は、デッドスペースを活用できる「収納力」という大きなメリットに目が行きがちです。
しかし、日々の生活の中で、そのメリットを維持するための労力が予想以上にかかることが判明すると、後悔につながりやすくなります。
例えば、「カビさせないために、定期的に引き出しを開けて換気したり、マットレスを立てかけたりするのが面倒になった」という衛生面での手間がまず挙げられます。
また、「大掃除の際、ベッドが重すぎて動かせず、ベッド裏のホコリ掃除を諦めた」という声や、「引き出しの開閉スペースを考慮せずに配置してしまい、他の家具と干渉して引き出しが全開にできない」といった利便性の問題もあります。
収納できる便利さよりも、清潔に保つための労力や、設置による不便さが上回った時に、後悔を感じやすいと言えるでしょう。
掃除や組み立ての手間

収納付きベッドは、一般的な脚付きのベッドフレームと比較して、掃除と組み立て(および解体)に格段に大きな手間がかかります。
これは、引き出しや底板、仕切り板など、収納機能を持たせるために部品点数が非常に多く、構造が複雑になるためです。
掃除の手間
ベッド下の掃除は、収納されている引き出しや収納物を、一度すべて取り出すことから始める必要があります。
また、ベッド自体もパーツが多い分、非常に重くなります。
そのため、模様替えや大掃除の際にベッドを簡単に動かして、ベッドの裏側や設置されている床面を掃除することが困難です。
構造上、ベッドと床の隙間にホコリが溜まりやすいにもかかわらず、その掃除が非常にしにくいというジレンマを抱えています。
組み立て・解体の手間
収納がないベッドフレームと比べて部品点数が圧倒的に多いため、組み立て作業にかなりの時間がかかります。
説明書を読み解きながら、多くのネジを締める作業は、慣れていない方にとっては大きな負担です。
特に、床板を持ち上げる「跳ね上げ式」のベッドは、ガスシリンダーなどの複雑な機構を含むため、自力での組み立ては困難な場合が多く、専門業者への依頼を推奨する商品も少なくありません。
将来的な引っ越しや部屋の模様替えの際に発生する、解体と再組み立ての負担も、購入前に考慮しておくべき点です。
圧迫感とコスト

収納付きベッドを選ぶ際に見落としがちなのが、部屋に与える「圧迫感」と、製品自体の「コスト」です。
収納スペースをベッド下に確保するという構造上、どうしてもベッド自体に高さが出てしまいます。
床面(マットレスを置く位置)が高くなるため、その上にさらにマットレスを置くと、全体の高さは想像以上になることがあります。
ワンルームや天井が低い部屋など、スペースが限られた空間にこの高さのあるベッドを置くと、空間を占める体積が大きくなり、部屋全体が狭く感じられる圧迫感の原因になります。
また、コスト面でも注意が必要です。
引き出しや複雑な機構を持つ収納付きベッドは、シンプルなフレームのみのベッドと比較すると、価格が高価になる傾向があります。
もちろん、タンスやチェストといった収納家具を別途購入する必要がなくなるため、トータルコストで考えれば割安になるケースもあります。
しかし、初期費用としては高額になることを理解しておく必要があります。
収納付きベッドのデメリット対策と選び方
必須の湿気対策

収納付きベッドを快適に使用する上で、湿気対策は避けて通れない必須の作業です。
まず、基本的な対策として、ベッドの設置場所に工夫が必要です。
ベッドを壁にぴったりとくっつけてしまうと、空気の通り道がなくなり、湿気が壁とベッドの間に滞留してしまいます。
壁から10cmほど離して設置し、空気が循環できるスペースを確保することが大切です。
あわせて、部屋の換気もこまめに行い、室内の湿った空気を外に逃がしましょう。
また、マットレスも敷きっぱなしにするのは避けてください。
人は寝ている間に多くの汗をかくため、マットレスとベッドの床板の間には湿気が溜まっています。
2〜3週間に1度程度でも良いので、マットレスを壁に立てかけるなどして、床板とマットレスの両方を乾燥させることが効果的です。
【参照:厚生労働省(科学的根拠に基づく シックハウス症候群に関する 相談マニュアル)】
具体的なカビ対策

前述の湿気対策と併せて、より積極的なカビ対策を行うことで、収納付きベッドを清潔に保ちやすくなります。
湿気が溜まりやすいという構造的な弱点を知り、予防的な対策を講じることが鍵となります。
購入時にできる最も効果が期待できる対策の一つは、ベッドの床板が「すのこ仕様」になっている製品を選ぶことです。
板が隙間なく敷き詰められたパネル式の床板に比べ、すのこ仕様は板と板の間に隙間があるため通気性が格段に向上し、マットレスから抜ける湿気を逃しやすくなります。
ただし、すのこ仕様であっても湿気がゼロになるわけではないため、他の対策との併用が推奨されます。
具体的には、マットレスの下に吸湿・放湿機能のある「除湿シート」を敷くことが非常に有効です。
さらに、引き出しの中や収納スペースの隅に、市販の「除湿剤」を設置することも忘れてはいけません。
そして、衣替えのタイミングだけでなく、収納部分の引き出しやフタを定期的に開けて空気を入れ替える習慣をつけることが、カビ予防につながります。
【参照:厚生労働省(カビ及びダニ対策について)】

デメリットだけじゃない!メリット

これまで多くのデメリットを挙げてきましたが、収納付きベッドには、それらの手間を上回る可能性のある大きなメリットも存在します。
特にワンルームや、クローゼット・押入れが少ない部屋にとって、ベッド一つで収納スペースを大幅に増やせるのは非常に魅力的です。
衣類や厚手のタオル、リネン類、さらには普段使わない季節物の家電やスーツケースなどをまとめて収納できれば、クローゼットや押入れのスペースに大きな余裕が生まれます。
また、収納付きベッドがチェストやタンスの代わりになるため、収納家具を別途購入する必要がなくなります。
これにより、部屋に置く家具の数を減らすことができ、部屋全体を広くすっきりと使えるようになります。
家具購入のトータルコストを抑えられる点も、見逃せない利点です。
収納付きベッドの種類と特徴
収納付きベッドは、収納部分の構造によって、主に「引き出しタイプ」と「跳ね上げタイプ」、そして「フタ式タイプ」に大別されます。
それぞれ収納力や使い方、適した部屋が異なるため、自分のライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。
収納付きベッドの主な種類と特徴は、以下の表の通りです。
| 種類 | 主な特徴 | メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|---|---|
| 引き出しタイプ | ベッド下に2~3杯の引き出しがある(チェストタイプは更に多い) | 日常的に使う衣類や小物の出し入れがしやすい | 引き出しを開閉するスペースがベッド横に必要 |
| 跳ね上げタイプ | 床板が持ち上がり、ベッド下全体が収納スペースになる | 布団やスーツケースなど大型の物を収納できる。 開閉スペース不要 | 構造が複雑で高価。 頻繁な出し入れには不向き |
| フタ式タイプ | 床板がフタになっており、持ち上げて開閉する | 構造がシンプルで比較的安価。 | マットレスを下ろす手間があり、出し入れが大変 |
引き出しタイプは、日常的な使い勝手に優れています。
いっぽう、跳ね上げタイプは、収納力と省スペース性を両立したい場合に適しています。
収納したい物の量や大きさ、出し入れの頻度を考えて選ぶと良いでしょう。
ニトリ・無印・IKEAの人気商品は?
国内で人気の高い大手家具メーカーであるニトリ、無印良品、IKEAも、それぞれ特色ある収納付きベッドを取り扱っています。
各社でデザインの傾向や収納の構造、価格帯が異なるため、比較検討する価値があります。
ニトリ

ニトリは、豊富なラインナップとサイズ展開、そして高い機能性が特徴です。
例えば「すのこチェストベッドフレーム(N-ジオ)」のように、大容量の引き出し(チェスト)と、通気性に配慮した「すのこ床板」を組み合わせたモデルが人気を集めています。
湿気やカビというデメリットに正面から対策を講じた商品が多いのが強みです。
無印良品



参考画像:無印良品「木製ベッド(左)」「木製ベッド用下収納ボックス仕切り付き(中・右)」
無印良品は、オーク材やウォールナット材など、木の質感を活かしたシンプルなデザインが特徴です。
「木製ベッドフレーム」本体に、別売りとなっている「ベッドフレーム下収納」を組み合わせるスタイルが基本です。
キャスター付きの収納ボックスを引き出しのように使用する形で、ベッドと収納を別々に選べる柔軟性があります。
IKEA


参考画像:無印良品「BRIMNES ブリムネス(左)」「MALM マルム(右)」
IKEAは、北欧らしい洗練されたデザインと、高いコストパフォーマンスが魅力です。
「BRIMNES(ブリムネス)」や「MALM(マルム)」といった人気シリーズでは、ベッドフレームとデザインが一体化した大容量の引き出しが付いたモデルが展開されています。
デザイン性を重視しつつ、大きな収納力を確保したい場合に適しています。
まとめ:収納付きベッドのデメリットを知り賢く選ぼう
収納付きベッドは非常に便利ですが、購入後に後悔しないためには、その構造的なデメリットを正しく理解しておくことが不可欠です。
この記事で解説したポイントを、以下にまとめます。
- 収納付きベッドの主なデメリットは湿気と掃除の問題
- 構造的に通気性が悪くカビやダニが発生しやすい環境になることも
- ベッド下収納は湿気を吸いやすく物が傷みやすい
- ホコリが溜まりやすい構造だが掃除がしにくい
- 掃除の際は収納物を全て出す大きな手間がかかる
- パーツが多く重いため組み立てや解体が大変
- シンプルなベッドよりコストが高い傾向がある
- ベッドに高さが出て部屋に圧迫感を与えやすい
- 「後悔」は衛生面と利便性のギャップから生まれやすい
- 湿気対策としてベッドは壁から離して設置する
- マットレスを定期的に立てかけて湿気を逃す
- カビ対策として床板は「すのこ仕様」を選ぶと効果的
- マットレス下の除湿シートや収納内の除湿剤の活用が鍵
- 最大のメリットはデッドスペースを大容量収納にできること
- 種類は「引き出しタイプ」と「跳ね上げタイプ」が主流
- デメリットと具体的な対策を理解した上で選ぶことが大切

